「web環境における日本のタイポグラフィの品質はなぜよくないのか」という原 研哉のつぶやきに、永原康史が反応し、それを機に湧きおこったオンスクリーンにおけるタイポグラフィへの興味と議論。これをポジティブに発展させるべく、この2名が発起人となって、「言葉のデザイン2010」と題する研究会「言葉のデザイン2010 オンスクリーン・タイポグラフィを考える」を立ち上げました。
この本は、2010年5月28日から2011年6月1日まで、約一年間かけて行われた、「言葉のデザイン2010 オンスクリーン・タイポグラフィを考える」全8回の研究会の記録です。研究会講演に用いられたスライドやムービーをふんだんに盛り込み、再録しています。
監修:永原康史、原 研哉
講演者:山辺真幸、小川裕子(アライアンス・ポート)/廣瀬則仁(物書堂)/鳥海 修(字游工房)/宮崎光弘(AXIS design)/高橋源一郎(作家)/橋本麻里(ライター)/松本弦人(グラフィックデザイナー)/小泉 均(タイポグラファー、グラフィッカー)/岡部 務(NHKデザインセンター)/中村勇吾(tha ltd.)/山田尚郎(日本経済新聞社)/糟谷雅章(毎日新聞社)/竹原大祐(朝日新聞社)/田中良治(セミトランスペアレント・デザイン)/山本太郎(アドビ システムズ)/冨田信雄(モリサワ)
アートディレクション:永原康史
[監修者プロフィール]
永原康史:
1955年大阪生まれ。グラフィックデザイナー。多摩美術大学情報デザイン学科教授。ブックデザインや電子メディアのプロデュース、展覧会のアートディレクションなどを手がけ、メディア横断的なデザインを推進している。愛知万博「サイバー日本館」、スペイン・サラゴサ万博「日本館サイト」のアートディレクターを歴任。著書に、『デザイン・ウィズ・コンピュータ』(MdNコーポレーション)、『日本語のデザイン』(美術出版社)、『デザインの風景』(BNN新社)、Kindle Book『BOOK AS FORM』などがある。2009年、電子出版レーベルepjp設立。
http://epublishing.jp
原 研哉:
1958年岡山生まれ。グラフィックデザイナー。武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授。日本デザインセンター代表取締役。デザイナーとしての豊富な実践を背景として、デザインを社会構想に並立させ、産業ヴィジョンの具体的な立案とその可視化に注力している。一方でコミュニケーションをやわらかくとらえ、理解や記憶を自然に成立させていく道筋を、デザインを通して探求している。著書『デザインのデザイン』(岩波書店)はサントリー学芸賞を受賞し、『白』(中央公論新社)とともに、英、独、中文、韓国語など多言語に翻訳され世界に広く読者を持つ。2011年、「DESIGNING DESIGN 原 研哉 2011中国展」を巡回。